整体をしていると、施術前と施術後で身体の動きが大きく変わっているのに、
「まだ違和感があります」
と言われることがあります。
このとき、
「まだ違和感があるから、施術では変わっていない」
と考えるのでしょうか。
それとも、
「可動域が広がっているから、良くなっています」
と説明すればいいのでしょうか。
私は、どちらか一方だけで判断するのではなく、
施術前に何ができなかったのか。
施術によって何ができるようになったのか。
その先で、今何を感じているのか。
これらを分けて確認する必要があると考えています。
最初は、動かすだけでも痛かった
例えば、背中の張りがかなり強い方がいたとします。
身体を動かすと痛い。
前屈をしても背中が張り、十分に動かない。
仮に施術前は、手が膝より上までしか届かなかったとします。
そこで身体の状態を確認し、必要に応じて関節への施術や筋膜リリースなどを行います。
施術後、もう一度前屈してもらうと、今度は膝まで手が届くようになった。
施術前より明らかに可動域は広がっています。
ところが本人に聞くと、
「動きやすくはなりました。でも、まだ背中に張りがあります」
と言われる。
ここで重要なのは、
施術前と施術後では、同じ場所まで動いているわけではない
ということです。
最初に動けなかったところは超えている
施術前は、膝より上までしか動けなかった。
施術後は、そこを超えて膝まで届くようになった。
つまり、最初に確認した可動域には変化があります。
ただ、さらに動けるようになったところで、まだ張りや違和感を感じている。
本人からすると、
「まだ張っている」
という感覚が残ります。
だからといって、何も変わっていないわけではありません。
反対に、可動域が広がったから、残っている違和感を無視していいわけでもありません。
何が変わり、何が残っているのか。
ここを分けて確認する必要があります。
「まだある」だけを見ると、変化が分からなくなる
施術後に身体を確認すると、別の違和感が気になってくることがあります。
「ここも気になります」
「まだここが張っています」
と、次の問題へ意識が移ることもあります。
もちろん、新しく気になった部分を確認することは必要です。
ただ、その前に、
施術前にはどこまで動けたのか。
どこで痛みや張りが出ていたのか。
施術後にはどこまで動けるようになったのか。
そして今、どの位置で違和感があるのか。
この順番で確認します。
そうしなければ、身体が変化していても、
「まだ違和感がある」
という部分だけが残ってしまいます。
自分の施術前の動きを覚えていないこともある
実際に整体をしていると、ご本人が施術前の動きを正確に把握していないこともあります。
本人が感じているのは、
「背中が痛い」
「張っている」
「動きにくい」
という感覚です。
手がどこまで届いていたのか。
どの位置から痛みが出ていたのか。
そこまで覚えている方ばかりではありません。
だから私は、施術前後の動きを比較することがあります。
必要であれば写真なども使い、
「最初はここまででした」
「今はここまで動いています」
と一緒に確認する。
そのうえで、
「ただ、今はこの位置まで動いたところで張りを感じていますね」
と整理します。
そうすることで、変わったところと残っているところを分けて考えられます。
本人の違和感も否定しない
一方で、
「これだけ動くようになったんだから良くなっていますよ」
と、施術者側の評価だけを押しつけるのも違うと思います。
本人が「まだ違和感があります」と感じているのであれば、それも身体を見るための情報です。
施術前と同じ違和感なのか。
動ける範囲が広がった先で感じているものなのか。
ほかに動きにくい部分が残っているのか。
もう一度確認します。
施術者が確認した変化と、本人が感じている変化のどちらも否定しない。
そこが大切だと考えています。
「良くなった・良くなっていない」の二択にしない
施術後の身体を、
「良くなった」
「良くなっていない」
だけで判断すると、途中の変化が見えなくなることがあります。
最初にできなかったことができるようになった。
しかし、その先にはまだ違和感がある。
それなら、
最初の問題には変化があった。
そして、次に確認するものが見えてきた。
と考えることができます。
施術前に何ができなかったのか。
今回の施術で何が変わったのか。
今はどこまでできるのか。
その位置で何を感じているのか。
何が変わり、何が残っているのかを一つずつ確認する。
施術前後の評価とは、単に「これだけ良くなりました」と変化を見せるためのものではありません。
本人と現在地を共有し、次に何を見るのかを決めるためのものでもある。
私はそう考えています。
広島市西区横川町1丁目
整体院・青体