膝が痛い患者様に対して、
「無理をしないでください」
と伝えることがあります。
もちろん、痛みが強い時期には負担を減らしたり、休んだりすることも必要です。
しかし、
膝が痛いから歩かない。
それだけでいいのでしょうか。
以前、膝の痛みで通われていた40代の男性がいました。
メンテナンスで1〜2ヶ月に1回来られる方で、ストレッチなどもお伝えしていました。
ただ、当時の私は「歩いてください」とまでは伝えていませんでした。
その後、この方の変化を知ったことで、膝が痛い方に対する自主トレについて改めて考えるようになりました。
体重が増えていることも気になっていた
この方は当時、体重が増えていました。
膝の状態を見るだけではなく、
「体重についても、どこかのタイミングで伝えた方がいいだろう」
と考えていました。
ただ、体重については伝え方も考える必要があります。
そのため、どのタイミングで話そうかと思っていました。
ところが先日、現在の状態を確認すると、
「今は歩いています」
という返事がありました。
私が歩くように勧めたわけではありません。
本人が自分で歩き始めていました。
そして体重を聞くと、以前から約10kg減っていました。
膝に水がたまることもなくなり、
「膝の痛みがだいぶなくなった」
「身体の疲れも出にくくなった」
という話もありました。
もちろん、
歩いたから膝の状態がすべて改善した
と判断することはできません。
体重が減ったことで膝への負担が変わったことも一つの要因として考えられますし、ほかの要因もあると思います。
ただ、この経過を聞いて、
膝が痛いから歩かないという考え方だけではいけない
と改めて感じました。
「痛いから休む」だけでは活動量は増えない
膝が痛ければ、身体を動かすことに不安が出ることがあります。
歩く量が減る。
外へ出なくなる。
身体を使う時間そのものが少なくなる。
痛みが強い時期であれば、負担を減らす必要がある場合もあります。
しかし、状態が変わってきても活動量が少ないままであれば、生活の中で身体を動かす機会も増えていきません。
今回の方の場合、体重が増えていたことも気になっていました。
そう考えると、膝への負担を減らすために休むことだけではなく、身体の状態を確認しながら活動量を増やしていくことも選択肢になります。
その方法が、必ずしも特別な筋力トレーニングや体操である必要はありません。
日常生活の中で行える「歩く」という方法もあります。
歩くなら、歩き方も見る
ただし、
「歩けばいいですよ」
と伝えて終わりではありません。
私は歩くことを伝えるとき、まず踵から接地することを伝えています。
最初から、
膝はこうする。
骨盤はこうする。
背中はこうする。
目線はこうする。
と、一つ一つ意識してもらうのではなく、まず踵から接地する。
踵から接地することで身体が起きやすくなり、目線も前を向きやすくなると私は考えています。
まず一つのポイントを変える。
そのうえで実際の歩行を見て、必要であれば別の部分も確認していきます。
最初から30分、1時間歩く必要はない
歩くことを自主トレとして考えると、
「毎日30分歩かなければいけない」
「1時間くらい歩かないと意味がない」
と考える方もいます。
私は、必ずしもそうは考えていません。
まず5分。
あるいは10分。
その人ができるところから始めればいいと思います。
大切なのは、いきなり大きな運動量を求めることではありません。
痛みの状態を確認しながら、実際に身体を使う時間を作ることです。
特に膝に痛みがある方であれば、歩いたあとに痛みが強くなっていないかなども確認しながら、少しずつ活動量を考える必要があります。
自主トレを「何種類出すか」ではない
ストレッチ。
筋力トレーニング。
体操。
バランス練習。
専門職として考えれば、さまざまな自主トレがあります。
必要な方には行ってもらうことも大切です。
しかし、自主トレの種類を増やせば、その人の生活が変わるとは限りません。
体操が苦手な人もいます。
ストレッチが続かない人もいます。
それなら、
その人が生活の中で続けられる身体活動は何なのか。
そこを見ることも必要です。
施術だけでも、自主トレだけでも考えない
現在の整体でも、膝が痛いから膝だけを施術する、身体が硬いから筋膜リリースをする、と最初から方法を決めているわけではありません。
膝の状態。
身体全体の動き。
歩き方。
普段の活動量。
仕事や生活で身体をどの程度使っているのか。
そうしたところを確認しながら、必要な施術や運動を考えます。
休む必要がある時期もあります。
ストレッチが必要なこともあります。
施術が必要なこともあります。
そして状態によっては、歩くことも必要です。
自主トレとは、決められた体操を何種類行ったかではなく、その人が日常生活の中で身体を使い続けるために何を選ぶのか。
そこまで含めて考えることが大切だと、今回の経過から改めて感じました。
広島市西区横川町1丁目
整体院・青体