「何もしたくない」という人に、運動を勧めるべきなのか?

「何もしたくない」という人に、運動を勧めるべきなのか?

「何もしたくない」という人に、運動を勧めるべきなのか? 150 150 広島県広島市西区にある筋膜リリース専門の整体院 青体-SEITAI-です。

身体を良くするためには、本人が運動することも必要になる場合があります。

しかし、

「運動したくない」

「めんどくさい」

と言っている人に、

「身体のためだから運動しましょう」

と伝え続ければいいのでしょうか。

急性期の病院で働いていたとき、印象に残っている男性がいます。

「めんどくさい」「どうでもいい」

その方はアルコールの影響もあり、急に身体が動かなくなって入院されました。

リハビリを始めようとしても、

「めんどくさい」

「どうでもいい」

という言葉ばかりでした。

何が嫌なのか。

どうしたいのか。

聞いても、本人から答えは出てきませんでした。

ただ、入院前には歩いて生活していました。

身体も少し立つことができる状態でした。

このまま何もしなければ、さらに身体機能が低下する可能性があります。

だからといって、

「リハビリが必要だから」

と無理に運動してもらえばいいとも思いませんでした。

「トイレに行ってみる?」

そこで私は、最初から大きな目標を決めるのではなく、できることから少しずつ身体を動かしてもらいました。

あるとき、

「トイレに行ってみる?」

と声をかけました。

最初はトイレにも行きたがりませんでした。

それでも少し立つことはできていたので、車椅子へ移乗して実際にトイレまで行きました。

排泄したあと、本人から、

「やっぱりトイレでするのは気持ちいいね」

という言葉が出ました。

私は、

「そうでしょう」

と答えました。

この経験は今でも覚えています。

身体を動かす意味が、生活とつながる

私が、

「トイレに行くことを目標にしましょう」

と決めたわけではありません。

本人も最初から、

「自分でトイレに行けるようになりたい」

と言っていたわけではありません。

実際にトイレへ行ったことで、

身体を動かすことが、自分の生活の何につながるのか

を本人自身が感じる経験になったのだと思います。

運動のために立つ。

筋力をつけるために立つ。

歩行練習だから歩く。

それだけでは、本人にとって身体を動かす意味が分からないこともあります。

しかし、

トイレへ行く。

家の中を移動する。

自分で立つ。

外へ出る。

そうした実際の生活とつながることで、身体を動かす意味が変わることがあります。

最初から目標を言葉にできるとは限らない

リハビリでは本人の目標を確認します。

それは大切なことです。

ただ、

「何がしたいですか?」

と聞けば、誰もがすぐ答えられるわけではありません。

自分がこれからどうなるのか分からない。

何ができるようになるのかも分からない。

その状態では、目標そのものを考えられないこともあります。

だからといって、専門職側が勝手に、

「歩行自立」

「自宅退院」

と決めればいいわけでもありません。

本人がまだ目標を言葉にできないのであれば、まず生活につながる小さな経験をしてもらう。

それも一つの方法だと思います。

立つ、歩く、そして家での生活を考える

この方も、トイレへ行ったから突然積極的になったわけではありません。

最初は立ったり座ったりするところから始めました。

少しずつ立つ練習をしてくれるようになり、その後、歩く練習へ進みました。

私は、

「また歩けるようになったら、家に帰って生活できると思うよ」

という話もしました。

もちろん、以前とまったく同じ生活に戻れるとは限りません。

買い物など、子どもに頼まなければならないこともあるかもしれない。

それでも、自宅で生活できる可能性はある。

身体を動かすことと、その先の生活をつなげて話していきました。

運動そのものを目的にしない

現在、身体を見るときにも大切にしている考え方です。

身体が硬いからストレッチ。

筋力が弱いから筋力トレーニング。

筋膜が硬いから筋膜リリース。

方法だけを先に決めるのではありません。

その人は何に困っているのか。

身体が変わったら何ができるのか。

その人が生活の中で何を取り戻したいのか。

そこまで確認したうえで、必要な施術や運動を考えます。

目標は、身体が変わる中で見えてくることもある

この方はその後、自宅で生活するようになり、デイサービスも利用するようになりました。

再び関わったときには、入院当初とは別人のように変わっていました。

最初から明確な目標があったわけではありません。

「めんどくさい」

「どうでもいい」

というところから始まりました。

実際にトイレへ行く。

立ってみる。

歩く。

自宅での生活を考える。

その経験を重ねる中で、本人の反応も少しずつ変わっていきました。

目標は、最初から言葉として出てくるとは限りません。

何をしたいのか分からないときに、そこで終わるのでもない。

こちらが勝手に決めるのでもない。

身体を動かした先にどのような生活があるのかを一緒に確認しながら、その人に必要な施術や運動を考えていく。

私は、その過程も大切にしています。

広島市西区横川町1丁目
整体院・青体