痛みの症状に関わる原因としてストレスも影響します
ストレスが生じると「ドキドキ」します
これは、扁桃体が危険を知らせ、それに反応して副腎から「コルチゾール」といったホルモンが生じます。自分の身を守るため、脳も身体も厳戒状態に入るのです。
元々、我々祖先達は狩りを中心に生活していましたし、自分達の住居は外敵から危険にさらされる生活を送っていました。ストレスが生じたときに、コルチゾールの血中濃度を上げ、心拍数を増加する事で身体を動きやすくする人間の原始的な構造だと言えます。
しかし、これらの反応を制御できないとパニックなります。パニックになると外敵から守れず、命を落とす危険性が上がります。
人はパニックを防ぐためのブレーキ備えとして、前頭葉と海馬があります。
海馬は記憶に関わる部位であり、ストレスを上手に抑制できずに慢性的にコルチゾールが分泌されると海馬は萎縮する事が分かっています。
前頭葉は感情に関わっており、ストレスによって萎縮する事が分かっています。前頭葉が萎縮すると、感情を制御する事が難しくなっていきます。
少し話題が変わりますが、ストレスにはうつ病も関わっています。慢性痛が続く事でうつ症状となる方も少なくありません。
ここまでのお話をまとめさせて頂くと、ストレスによって、コルチゾールの分泌、それに伴い海馬や前頭葉にも悪影響、うつ症状や意欲低下が起きるといった事が起きます。
慢性疼痛で悩んでいる方は、ストレスを抱えている方が多く、慢性疼痛が悪化する事で更にストレスを生じ、ストレスにより疼痛も悪化するという悪循環が生じています。
次回は、ストレスを制御できるように必要な方法を一つと効果について書いていきます。