肩が痛ければ肩。
腰が痛ければ腰。
膝が痛ければ膝。
痛みがある場所を何とかしたいと考えるのは自然なことです。
施術する側も「ここが痛い」と言われれば、まずその場所を確認します。
ただ、臨床では痛みが出ている場所だけを見ていても、なかなか変わらないことがあります。
だから私は、
「どこが痛いのか」
だけではなく、
「なぜそこに痛みが出ているのか」
を身体全体から確認します。
痛い場所そのものに問題がある場合もある
転倒して身体をぶつけた。
スポーツ中に捻った。
こうした明確な外傷があれば、その場所自体が損傷して痛みにつながっていることがあります。
炎症が起きていれば、その状態を確認することも必要です。
一方で、特にぶつけたり捻ったりしていないのに、いつの間にか肩や腰が痛くなることもあります。
その場合まで、
「痛い場所に原因がある」
と最初から決めることはできません。
筋肉や筋膜への負担。
関節の動き。
身体の使い方。
血流や神経への影響。
疲労の蓄積。
さまざまな可能性を考えながら身体を確認します。
肩が痛くても、肩だけを見るとは限らない
以前、肩が上がりにくい50代の女性がいました。
当然、肩の動きは確認します。
しかし身体全体を見ると、お腹周りから骨盤前面にかけて縮まるような状態がありました。
腕を途中まで上げるだけなら大きな問題がなくても、最後まで上げようとすれば肩だけが動けばいいわけではありません。
背中を反らすなど、身体全体の動きも加わります。
この方の場合、腕を上げていくときに身体の前側が十分に伸びにくく、その状態でさらに腕を上げようとしていました。
本人が感じているのは肩の痛みでも、肩だけを見ていては分からない部分があったのです。
腰痛で足元を見ることもある
腰痛でも同じです。
以前、立った状態で身体を後ろへ反らすと腰に痛みが出る方がいました。
腰の筋肉や関節を確認することは必要です。
ただ、この方で私が気になったのは足元でした。
立って身体を動かすとき、身体を支えているのは足です。
足元が不安定な状態で身体を後ろへ反らそうとすれば、腰で動きを補うこともあります。
そこで足元を含めて身体を見直していくと、腰だけでは説明できなかった部分が見えてきました。
大切なのは、最初の症状がどう変わったか
肩が痛い人の腹部や骨盤周囲を見る。
腰が痛い人の足元を見る。
だからといって、
「肩痛の原因はお腹です」
「腰痛の原因は足です」
と決めるわけではありません。
身体を確認し、必要に応じて筋膜リリースなども行いながら、最初にあった痛みや動作をもう一度確認します。
変わらなければ、別の可能性を考える。
変わったのであれば、なぜそこへの施術によって元の動きが変化したのかを考える。
評価と再評価を繰り返します。
痛みは身体を見直すきっかけにもなる
痛みは、できれば早くなくしたいものです。
ただ、痛みだけを消すことが目的になると、なぜ身体がその状態になったのかを見落とすことがあります。
長時間座り続けている。
同じ身体の使い方を繰り返している。
疲労が蓄積している。
日常生活の中に負担が続いている。
こうした部分は、施術者が代わりに変えることはできません。
施術によって身体を整える。
必要なセルフケアや運動を伝える。
そして、自分自身でも日常生活を見直していく。
「どこが痛いのか」だけではなく、「なぜそこに痛みが出ているのか」。
痛みのある場所、身体全体の動き、そして普段の生活まで確認しながら、その方に必要な施術を考えています。
広島市西区横川町1丁目
整体院・青体