浮腫とは、細胞の外側の間質液が増加した状態で
●間質液とは
組織内で細胞が侵されている液体
細胞外液のうち血液およびリンパ管内のリンパ液を除く液体
組織液、細胞間液、細胞間リンパ液ともよぶ
●全身性と局所性にと分けられる
■全身性
●鬱血性心不全
●腎疾患
●肝硬変
●栄養失調
●甲状腺機能低下症
●薬剤性
■局所性
●静脈性浮腫
●リンパ浮腫
●麻痺性浮腫
●その他
関節、外傷、アレルギー性
□まずは全身状態の確認をする
●全身状態の確認
体重増加の有無:乏尿といった尿量の減少、腎臓性浮腫の確認
1日の尿量が400ml /day未満
発熱、発汗、疼痛の有無:炎症性浮腫の確認
動悸、呼吸困難、起坐呼吸:心臓性浮腫の疑い
食欲不振、下痢、嘔吐:消化管疾患やタンパク質損失性が原因による浮腫
妊娠、生理周期
■注意すべき深部静脈血栓
深部静脈(大腿静脈や膝窩静脈など、身体の深部にある静脈)に血栓を作ってしまう疾患で、作られた血栓で血管が閉塞してしまうことにより浮腫を生じます。この深部静脈血栓症は肺塞栓症の主な原因となってしまうので要注意。
症状としては、患部の痛みや腫れ、発赤、熱感などで無症状のことも少なくありません。好発部位として下肢はもっとも多くみられ、ふくらはぎ、下肢の表面を走行する静脈などに血栓が生じてさほど、重大な問題とはなりませんが、下腹部や大腿、膝の中心を走る深部静脈に血栓が生じると重症となる場合があります。
問題となるのは、作られた静脈から血液の塊が剥離して、血管内を流れた結果、肺に移動することもあり、肺血栓寒栓症を発症することです。
症状
血栓によって静脈の一部が閉塞されていますので、閉塞された片方の下肢の腫脹、急激に赤黒く腫れあがり、痛みを伴います。いきなり腫脹することもあれば、数日間かけてゆっくりと進んでいく場合もあります。そのまま放置すると、腫れた状態が持続され、皮膚の偏食や崩れて潰瘍を形成することある。
浮腫の病体と原因
毛細血管静水圧の上昇による浮腫:毛細血管内部の静脈圧が上昇し、組織間隙に水分が流出する。心不全による肺水腫、腎不全など
膠質浸透圧の低下による浮腫:毛細血管内部の水分をとどめる力が低下し、血管内から組織間隙へ水分が流出する。ネフローゼ症候群、肝硬変、低アルブミン血症、底タンパク血症、がんなどが含まれる
毛細血管透過性亢進による浮腫:炎症により血管壁の透過性が高まり、血漿成分が血管外である組織間隙に流出する。炎症、敗血症、熱傷など
まとめ
浮腫の原因を探るには、問診、全身からの所見、エコー検査、CT,MRI、心電図、レントゲン、既往歴、血液検査など、さまざまな所見から診断する必要があります。こういったことを踏まえてまずは原因を調べれましょう。しかし、起立性浮腫などもありますから、すぐに病気と考えないようにしましょう。