整体で身体を施術すると、関節の動きや姿勢、身体の使い方に変化が出ることがあります。
施術前には難しかった前屈ができるようになる。
身体を動かせる範囲が広がる。
動作がスムーズになる。
しかし、本人からは、
「まだ痛みがあります」
と言われることがあります。
身体の動きが改善したことと、日常生活で困っている問題が解決したことは、必ずしも同じではありません。
以前、50代の男性を施術したとき、このことを考える経験がありました。
前屈できないほどの腰痛があった男性
この方は、身体を前にかがめると腰に強い痛みが出ていました。
最初は前屈すること自体が難しい状態でした。
そこで、腰だけではなく、普段の姿勢や身体全体の状態を確認しながら施術を進めました。
施術を重ねる中で、少しずつ身体の動きが変わっていきました。
前屈できる範囲も広がり、当初と比較すれば身体には改善が見られていました。
しかし、本人からは、
「まだ痛みがある」
という話が続いていました。
ここで私は、もう少し詳しく日常生活について確認することにしました。
本当に困っていたのは、朝の洗面所だった
話を聞いていくと、この方は朝起きたときに腰の痛みが強くなることが分かりました。
さらに確認すると、特に痛みが出ていたのは、朝起きて洗面所へ行き、身体を前にかがめるときでした。
最初に聞いていたのは、
「前屈すると腰が痛い」
という訴えです。
しかし、実際には一日中同じように痛いわけではありませんでした。
朝起きた直後の、特定の動作で強い痛みが出ていたのです。
同じ前屈動作でも、施術室で行う前屈と、朝起きて洗面所で行う前屈では条件が違います。
その違いを確認する必要がありました。
寝ている間の身体の状態はどうだったのか
朝起きたときに痛みが強いのであれば、睡眠中の身体の状態も考える必要があります。
長時間同じ姿勢が続いていたのか。
寝返りは十分にできていたのか。
枕や寝具は身体に合っていたのか。
そこで私は、枕を変えてみることも提案しました。
ただし、この方が実際に寝返りを十分にできていなかったのか、枕が腰痛に関係していたのかは分かりません。
あくまで、朝の痛みが強いという情報から考えた一つの可能性です。
重要なのは、痛みが出る動作だけではなく、その動作を行う前に身体がどのような状態だったのかを確認することです。
長時間座っていることも確認した
この方は仕事で出張することがあり、移動中など長時間座っていることが多い方でした。
長い時間同じ姿勢で座っていれば、腰や骨盤周囲に負担がかかることもあります。
そこで、可能な範囲で途中に立ち上がることや、姿勢を変えることを伝えました。
もちろん、仕事の都合で自由に動けないこともあります。
しかし、日常生活で同じ負担を繰り返しているのであれば、施術だけでは変えられない部分もあります。
身体を整えること。
そして、普段の身体の使い方や生活環境を確認すること。
この両方が必要になる場合があります。
施術前後の変化だけで判断しない
整体では、施術前後の身体の状態を確認します。
前屈できる範囲。
痛みが出る角度。
関節の動き。
姿勢や身体の使い方。
必要に応じて筋膜リリースなども行い、最初にあった症状や動作がどう変わったのかを再評価します。
こうした確認は大切です。
しかし、施術室で前屈できるようになったからといって、朝の洗面所での痛みまで改善しているとは限りません。
だからこそ、
施術によって何が変わったのか。
日常生活では何がまだ変わっていないのか。
この二つを分けて確認する必要があります。
腰痛を改善するために、生活まで確認する
腰痛といっても、困っている場面は人によって違います。
朝起きたとき。
洗面所で前かがみになるとき。
長時間座ったあと。
仕事で身体を動かすとき。
同じ腰痛でも、痛みが出る状況が違えば、確認する内容も変わります。
今回の方も、前屈動作そのものには改善が見られていました。
しかし、本当に困っていた朝の洗面所での痛みは残っていました。
だからこそ、身体の動きが変わったことだけで施術を終わらせず、日常生活で何が起きているのかを確認する。
「どこが痛いのか」だけではなく、「いつ、どのような状況で痛いのか」。
そこまで確認しながら、その方に必要な施術やセルフケアを考えています。
広島市西区横川町1丁目
整体院・青体